
PCに向かう時間が長くなると、どうしても気になり始めるのがキーボード。
効率化を求めて、もっと打ちやすいものを探し求めたくなる。
そんなキーボードの中でも「HHKB(Happy Hacking Keyboard)」は、誰もが一度は行き着く、あるいは憧れる存在のひとつだ。
今回、筆者が使用している「HHKB Professional HYBRID」の墨カラー英語配列モデルについてレビューしたい。
結論から言うと、ネット上の評判通り、その打鍵感は間違いなく最高峰。
ただ、現在の私はというと、このHHKBをメイン機から外し、一般的な配列のキーボードに戻している。
なぜなら、道具を日常に完全に組み込むには、金銭面のコストや環境面のコストが高かったからなんだ。
決して製品の質が低かったわけじゃないが、私の環境には合わなかった。
最高の打鍵感と引き換えに、私が直面した壁。今回は、HHKBの導入を迷っている人に向けて、私の挫折体験を語る。
HHKBは最高の打鍵感。静電容量無接点方式

打鍵感については、もはやネット上で語り尽くされている感もあるが、やはり素晴らしいの一言。
静電容量無接点方式が生み出す「スコスコ」とした独特の深いストローク。
指に余計な力が入らず、長時間のタイピングでも疲れにくい。
物理的な接点がない構造上、耐久性が高いというのも安心感がある。
HHKBは墨カラーで、かな表記なしのキートップがかっこいい

外観。個人的に強く気に入っているのが「墨」カラーのデザインだ。
黒に近いダークグレーのキートップに、同系色の黒で施された目立たない印字。
さらに英語配列を選択したことで、野暮ったい「かな表記」がない。
これらの要素が組み合わさることで、キーボード全体に統一感が生まれていて、スタイリッシュ。
デスクの上に置いたときの視覚的なノイズが少なく、作業空間が引き締まった感じがする。
無駄を削ぎ落としたミニマルな美しさ、効率を求めたキー配置、最高のタイピング体験と相まって、ただそこにあるだけで所有欲を満たしてくれる。
HHKBは特殊配列で慣れが必要

HHKBを語る上で避けて通れないのが、独自のキー配列。
特に英語配列モデルは、Controlキーの位置や、独立した方向キー(矢印キー)が存在しないなど、一般的なキーボードとは異なる設計になっている。
これはホームポジションから手を動かさずにすべての操作を完結させるため、合理性を求めた結果。
実際、この配列に完全に慣れてしまえば、最高効率で作業がはかどるだろうなとポテンシャルを感じる。
しかし、頭で考えなくても無意識にタイピングできるようになるまでは一定期間が必要。
HHKBのコスト

無意識にタイピングできるようになるまでは、習熟期間が必要。
さらに、価格は3万円オーバー。
時間的なコスト: 配列に慣れるまでのストレス
金銭的なコスト: 気軽に試すには勇気がいる価格帯
この二つのコストがあるから、導入にはそれなりの覚悟がいる。
HHKBの使用を挫折した理由

無意識にタイピングできるようになるまでは、それなりの習熟期間が必要。
素晴らしい打鍵感と合理的な配列。このキーボードのポテンシャルを引き出せば最高効率で作業ができると考えたが、私は使用を断念した。
その理由は、職場と自宅のキーボード環境の違いだ。
もし、職場と自宅の両方をHHKBで統一できるなら、おそらく最高の環境が構築できたはずだが、私にはできなかった。
自宅でHHKBの特殊配列に指を慣らしてしまうと、職場で一般的な標準配列のキーボードを触ったときに違和感が生じる。
仕事の際、Controlキーや矢印キーの操作など、無意識にHHKBの動きをしてしまいタイプミスを連発。逆にHHKBを触るときは標準配列のキーボードの動きをしてしまう。
頻繁に異なる配列のキーボードを行き来するのは、想像以上に頭と指を混乱させる。
HHKBを使うために考えたこと。持ち運びか、複数台導入か

このHHKBを使いつづけるためにはどうすればよいか。
まず、持ち運ぶことを考えた。しかし、HHKBは重さが約540gあり、毎日持ち運ぶにはやや重たい。
次に自宅用と職場用で使い分けるためにもう1台導入を考えたが、1台でも3万オーバーと高い。もし、導入して完全に慣れても、標準配列のキーボードを使う機会がでてきてそのときはストレスを感じそう。絶対に感じる。
結局、筆者の環境ではどこでも同じ感覚で打てる「標準配列」の方が、トータルの作業効率が良いという結論に至った。
HHKBが向いている人、向いていない人

今でも、あの打鍵感とソリッドなデザインには強く惹かれる。(だから、まだ手放せていない)
でも、やっぱりHHKBは決して万人におすすめできる道具ではない。
向いている人
- 職場でも自宅でも、絶対にこの1台しか使わない環境を作れる人
- 慣れるのに時間がかかっても、最高効率を求める人
向いていない人
- 私のように、職場と自宅で別々のキーボードを使わざるを得ない人
- 「標準配列」を使う機会がどうしても残ってしまう人
特殊な配列への慣れは必須だが、条件さえ揃えば、キーボード探しの旅に終止符を打てる1台になる可能性は十分にあると考えている。
もしあなたがこのキーボードを気になっているなら、作業環境をHHKBに合わせる覚悟があるか検討の上、迎え入れることをお勧めする。

